不妊治療で行う精液検査とは?検査結果の見方も教えます!

コラム

不妊治療では、治療を始める前に生殖機能について現状を把握し、異常がないかを検査します。

男性の場合は、精液検査を行い、無精子症や良好な精子が少ない状態でないかを確認します。

不妊治療では、検査結果を参考にして今後の治療方針を決めるため、不妊治療を効果的に進めるためには、夫婦そろって検査を受けることが大切です。

また、精液検査の結果から、自然妊娠が可能か分かることもあるので、赤ちゃんができないと悩んでる夫婦であれば、奥さんの検査だけでなく、旦那さんの精液検査も行うことをお薦めします。

この記事では、不妊治療で行う精液検査について、検査項目、検査結果の見方について説明します。

精液検査の概要

不妊治療の精液検査は、自慰で射精しカップに採取した精液で検査を行います。クリニックの都合や、クリニックに採取設備がない場合は、自宅で精液を採取しクリニックに持ち込むことになります。

精液検査で検査する項目は、「精液量」、「精子濃度」、「精子運動率」、「精子正常形態率」の4つの項目です。

精液検査の所要時間は、設備が整っているクリニックであれば、1時間もあれば検査結果が出ます。

各検査項目の概要・説明は以下の通り。

検査項目概要・説明
精液量採取した精液の量です。極端に少ない場合、逆行性射精の疑いがあります。
精子濃度精液1mlあたりの精子の数を測定します。
乏精子症、無精子症の診断に利用されます。
精子運動率精液の中で動いている精子の割合です。
運動率が低い場合、精子が卵子までたどり着けず、受精率が低くなります。また、精子無力症の診断にも利用されます。
精子正常形態率精子の形や大きさを観察して算出できる、正常な形の精子の割合です。奇形精子症の診断に利用されます。

精液検査結果の見方について

精液検査結果の見方ですが、各検査項目に基準値があり、その数字以上であれば、体外受精等による治療ができるようです。

基準値として、WHOの精液検査ガイドライン〈2021年)の数字を採用しているクリニックが多いようですが、独自の基準値を採用しているクリニックもあるようです。

WHOの精液検査ガイドライン(2021年)の基準値は以下となります。

検査項目基準値
精子量1.4ml以上
精子濃度16百万/ml以上
精子運動率42%以上
精子正常形態率4%以上

上記数値とご自身の検査結果を比べてみてください。

WHO精液検査ガイドラインの基準値算出方法について

WHO精液検査ガイドラインの基準値の意味を理解するためにも、算出方法について説明します。

基準値の算出方法は簡単です。

避妊中止後12か月以内にパートナーが自然妊娠した男性の精液検査データをサンプルデータとし、サンプルデータを各検査項目毎に数値の大きい順に並べた上で、下から5%点(5th)の値を基準値としています。

2.5th5th10th25th50th75th90th95th97.5th
精液量ml1.01.41.82.33.04.25.56.26.9
精子濃度 百万/ml1116223666110166208254
運動率
%
354247556473839092
正常形態率%34581423323945
出典:WHO ガイドライン 2021

赤ちゃんが生まれた夫婦の精液データとはいえ、各項目の下位5%点(100人いたら下から5番目)の数字を基準としているため、最低ラインの基準だと考えてください。

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